ISO 20000 ITサービスマネジメントシステム認証
ITの技術革新が進むにつれて、ITを用いた組織内部及び外部に対する様々なサービス(以下、「ITサービス」という)が、あらゆる ビジネスにおいて必要不可欠になりつつあります。 ITサービスは事業活動のインフラであるということから、組織の事業運営は、このサービスを利用 することなくして不可能となっているのが現状です。
例えば、組織の運営するEコマースサイトが中断または停止した際には、自らが所属する組織に限らず、利用している顧客に対しても、 即時に取引する必要のある重要な案件が処理できないなど、事業に多大な影響を与えることになります。また、顧客に提供している業務アプリケーショ ンや、メールサービスなどのITサービスが中断または停止した際にも、即時に処理できない、またはメールが相手先に届かないなど、当該組織に留まら ず、顧客の事業にまで影響が及んでしまいます。
このことから、ITサービスの標準化及び提供コストの削減を伴う品質改善は、サービスを提供する組織において重要な経営課題となっ ています。この分野のビジネスにおいて自社の優位性を確立するためにも、サービスの継続的な品質改善を戦略的に行っていくことが重要です。
ISO/IEC 20000-1:2005について
ITサービスの運用に関するガイドラインとして、ITIL( ITインフラストラクチャ・ライブラリ)が用いられています。
ITILの内容に関しては、ISO9001などのエッセンスであるマネジメントシステムの内容を付加したものとして、ITサービスマ ネジメントシステム(以下、「ITSMS」という)がBS15000-1:2002としてまとめられました。この規格は、ISO/IEC 20000-1:2005(規格要求事項) と定められ、2005年12月から国際規格として発効されました。
認証取得によるメリット
「ISO/IEC 20000-1:2005」の認証を取得すると、以下のメリットがあります。
組織外へのメリット | |
組織の信頼性の向上 | 認証を取得していることが事業及び契約においての必要事項となりつつあることから、対外的な信頼性の向上を図り、それを明示することができます。 第三者認証機関とのパートナーシップによって、組織の経営陣が関与していることなど、ITSMSが確実に運営されていることが証明できます。 |
事業の競争力の強化 | 国際規格に準拠したITサービス管理の枠組みを明示することによって、競合他社との差別化を図り、市場での優位を確立することができます。 |
顧客及びサプライヤとの | 顧客の満足度や苦情を測定及び分析し、サプライヤに対するサービスレベルアグリーメントのモニタリングや契約の見直しにより、顧客及びサプライヤとの関係向上を 図ることができます。 |
組織内へのメリット | |
ITサービス品質の継続的な改善 | ITSMSを導入することで、PDCAモデルを通じてITサービスの品質を継続的に改善することができます。 |
ITサービスの可視化 | 当該組織、または外部委託先のサービスレベルに関する評価指標を定義することにより、ITサービスの品質を可視化することができます。 |
ITサービスにおけるコストの低減 | ITサービスにおける予算や会計に関する管理を実施することにより、明確なルールに基づく財務管理を実施することができます。 |
要員の意識の向上 | 各種プロセスにおけるルールに基づいた管理を実施し、これらを補完するための教育及び訓練を実施することによって、ITSMSに係わる要員の理解が深まり、かつ知識や技能の向上を図ることができます。 |
管理体制の確立 | 役割及び責任を定義して実施することにより、誰が、何を実施するのかが明確になり、ITSMSを運営するうえでの効果的な管理体制を構築していくことができます。また、内部監査の体制を確立することで、組織による自浄効果が期待できます。 |
経営陣の関与 | 組織における担当者の決定のみに拠らず、経営陣が関与することで、組織として取り組んでいることを明示することができます。 |
ITSMS構築に必要な事項
たとえば、以下の事項を実施します。
P L A N |
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D O |
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C H E C K |
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A C T |
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認証取得までの手続
認証申請をされてから、次のような段階を経て、「ISO/IEC 20000-1:2005」の認証を取得することができます。