スマートイノベーション:シルバー時代における黄金の機会

スマートイノベーション:シルバー時代における黄金の機会

「高齢者に力を与え、助けが必要だと感じさせないように、高齢者に優しい技術革新が行われるべきです。初期段階では、それはつまりは信頼を築くことです。」

Asli Solmaz-Kaiser
テュフズード副社長、製品開発・イノベーション

近年、「人口統計上の時限爆弾」とも言うべき、世界人口の平均年齢の前例のない上昇について、数多くのニュースが流れました。国連の世界人口予測:2015年改正報告書1によると、65歳以上の人の数は近年ほとんどの国で大幅に増加しており、今後さらに増加する予定です。

 人口統計学の専門家2によると、現在多くの国々がこの現象の非常に高いリスクにさらされており、高齢者関連の支出は、以下のインフォグラフィックで示されているように上昇すると予測されています。よく知られている例は日本であり、人口の高齢化がすでに経済に大きな打撃を与えているとの見方もあります。ドイツとイタリアも同様の危機に直面しており、韓国なども状況はそれほど変わりません3。

 人を不安に陥れたり出口の見えない心配をしたりするのではなく、都市、住宅、医療サービスを、高齢者のニーズを満たすよう適応させる行動を取らなければならないことは明らかです。高齢者の数が増えているのに、介護する若者の数は減っているので、手助けしてくれる技術が必要です。

 多くの積極的な企業、政府機関、NGOは、家庭や医療が高齢者のニーズを満たしてくれる未来を創造する方法を模索しています。たとえば、日本のソサエティ5.0ロードマップ(超スマート社会4)は、注目すべき行動計画です。

 都市計画者、IT専門家、都市開発者、政府関係者は、高齢者に優しい技術の開発は、未知の領域へ踏み込むことであることを知っています。高齢者に優しい技術は、大部分がまだ生まれたばかりです。しかし、支援のネットワークを適切に築き上げることで、スマート技術ソリューションは、まもなく世界が、高齢者に優しく、技術が豊かな未来へと進んでいくのを促してくれるでしょう。

グローバルイノベーション

お互いに、そして所有者と通信できるスマートデバイスの多くが、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)の可能性により作られてきました。高齢者を介護している人にとっては、それらデバイスの潜在的価値は明らかです。また、スマートデバイスは、高齢者が新たに独立する手助けもしてくれます。

 タイのチョンブリー県では、デルとインテルがタッグを組んで、高齢者のためのスマートリストバンドシステム5を開拓してきました。これらBluetooth対応ウェアラブルは、市民の歩行距離や睡眠パターンをモニタリングし、不規則性を検出した場合、医療従事者にアラートを送信します。

 ITイノベーターは、アプリを通じて家族や医療機関にリンクする、軽量でワイヤレスなスマートモバイルデバイスである個人用緊急応答システムの改善にも取り組んでいます。これらのデバイスがあることで、高齢者は一人で外出できるようになります。緊急事態が発生した場合は、すぐに助けを得られる、と安心できます。

 一方で、日本のイノベーターは、超薄型で超軽量のウェアラブルモニタリングデバイス6を創り出しています。高齢者のユーザーは、衣類や寝具に簡単に取り付けることができ、洗濯するときには簡単に取り外すことができます。

スマートホームソリューションの話は、依然としてJetsonsのイメージを思い起こさせるかもしれませんが、家電製造業者はスマートホームソリューションを真剣に受け止めています。都市部の開発者も同様です。

 最近のイノベーションとしては、アメリカのデジタル投薬ディスペンサーとマットレス搭載ベッドセンサー7、そしてギリシャの介護管理ロボット8があります。韓国の多くのアパートは、高齢者のニーズを念頭において建設されています。新しい集合住宅の顔認識ソフトウェアとリストバンドキー9を想像してみてください。

テュフズード製品開発・イノベーション担当副社長のアッシリ・ソルマズ・カイザーは、高齢者が楽しみにしている医療開発がさらに進んでいる、と語っています。「これらの技術的進歩を、高齢者支援型生活(Ambient Assisted Living:AAL)と呼んでいる人もいます。新しいイノベーションには、脱げ落ちるのを防ぎ、認知症患者が迷子になるのをも防ぐ、RFIDタグスリッパもあります。また、パーキンソン病患者の震えに対抗するセンサーを備えた手袋もあります。」
とアッシリ・ソルマズ・カイザーは述べています。

スマートホームやロボットのおかげで、高齢者は、介護用の住居ではなく、今の自分の住居に居続けられるようにできます。自立を促してくれるのです。

完全に安全なのか?

テクノロジーは、この世界的な人口問題を解決する最も強力な手段であるように見えますが、事はそれほど簡単ではありません。

IoTやスマートホームデバイスを批判する人は多く存在します。また、それらが「Big Brother10」の裏の機能を使って、企業が顧客をひそかに監視している、と主張する人もいます。チェックされていないスマートデバイスは、業界基準やプロトコルに違反するリスクを実際に抱えており、まさに支援を必要とする人たちからの信頼を損なうものです。

技術イノベーターが法的事項やプライバシー問題について無知であることが多いという事実が、問題の一つです。スマートケアデバイスは機密性の高い個人情報を送信することも多いので、サイバーセキュリティも、進歩に対する潜在的な障害の一つとなります。

 サイバー犯罪者が、セキュリティ保護されていないデバイスのセキュリティ上の欠陥を悪用したり、個人情報を盗み出したり、IoTデバイスが潜在的に持つ新たなフィッシングの穴を悪用したりする危険性がある、と批評家は述べています。

 この市場に初めて参入した製造業者は、例えば、高齢者が小さいフォントを読んだり、小さな画面に表示される情報にアクセスしたりするのに苦労するかもしれない、ということを比較的すぐに忘れてしまいます。

 AALデバイスは高齢者に優しいだけでなく、既存のインフラネットワークに常に適合するように設計されていることが重要だ、とソルマズ・カイザーは述べています。そうでなければ、日常の利用に組み込むのが難しくなってしまいます。

 ソルマズ・カイザーはさらにこう説明します。
「このような破壊的技術は非常に進歩的なものですが、既存のテクノロジーや広範囲の医療システムと互換性がない可能性があります。そのため、これらのイノベーションには、開発の初期段階で他の関係者と協力して導入しなければならないものもあります。高齢者を介護する人は重要な関係者であり、デバイスを使用するために彼らの信頼を得ることは、使用のためのテクノロジーを展開するうえで不可欠です。」

 ソルマズ・カイザーは、高齢のユーザーが「監視されている」、「助けが必要だ」という不安を持たないよう、AALソリューションはエンドユーザーの心理的な懸念を考慮に入れる必要がある、と付け加えています。

 テュフズードはプライバシープロトコルとサイバーセキュリティ関連の専門知識を有しており、ハードウェアとソフトウェア両方の問題を抱えるイノベーターや医療従事者をサポートしています。テュフズードはまた、スマートホームやAAL環境にとって極めて重要な、安全なクラウドサービスも提供しています。

 認定機関は、電磁気の耐性と放射をテストし、データセキュリティが業界基準を満たしていることを確認し、バッテリー、化学的安全性、人間工学に関する重要なテストを行うこともできます。

 設計段階でテュフズードの協力を得ることで、発明者は、単なる思い付きで追加したり、やり直しや製品リコールのリスクを抱えたりすることなく、創作にコンプライアンスを組み込むことができます。

 さらに、国際的に認められた品質と安全基準を満たすことを約束するイノベーターは、より顧客の信頼を得るようになります。この精神をサイバーセキュリティにまで拡大すれば、さらなる信頼構築につながります。IT侵入テスト、データ保護監査、産業セキュリティ、クラウドセキュリティを含むテュフズードのデータセキュリティサービスにより、イノベーターはよりスマートで安全な、高齢者に優しいデバイスを生み出せるようになります。

信頼できる技術

いわゆる「人口統計上の時限爆弾」と呼ばれるものについては、時計の針を戻す方法はないようです。説得力のある証拠により、上記のテクノロジーが既に多くの国で切望されている、ということがわかります。

 実際、変化の種は既に蒔かれています。超高齢社会は今や不可避です。しかし、イノベーションの力を引き続き利用することができれば、間違いなく、積極的なスキームと技術的優位性により、人類社会が高齢化社会のパラダイムシフトを変化させ、さらには受け入れることができるようになるでしょう。


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