高い技術力、高い生産量・・・
小スペースで大量の収穫を得られるため食糧安全上の問題を解決でき、またエネルギー効率の高いLEDシステムを使用した屋内農業ではエネルギー使用量を削減3できるという特長もあることから、屋内農業は持続可能な解決策としての可能性を秘めています。ある屋内農場では、従来の農場での同量の収穫と比較して、消費電力で約40%、使用水量で最大90%という驚異的な削減を達成しました。
昔ながらの労働もあまり必要とされません。管理された環境は、特定の作物をいつでも栽培できることを意味します。このことは地方生産の増加、および輸送時間の短縮により作物をさらに新鮮とすることに寄与します。屋内では、使用するスペースを最大限に活用しますが、それにより害虫も存在しなくなるため、農薬は不要です。照明レシピを慎重に選択すれば、作物が小売業者や消費者から拒絶される可能性も低くなるため、食物廃棄量は減少し、持続可能性が高まります。
屋内農業家が光源を選択する際の課題のひとつは、すべてのプランにマッチする完璧な光源レシピが存在しないということです。特定の植物を実に見事に成長させる、あるピンクとブルーの光源が盛んに喧伝されています。しかし他の植物に使用した場合、それらは違う働きをするかもしれません。植物の種類が異なっても同じ照明結果が適用されると期待している生産者はこの結果に興ざめしてしまい、屋内農業への取り組みが減少してしまうかもしれません。
「光源製造業者が農業を専門分野の中核としていないことも困難の度合いを深める原因で、通常は特定の環境下で定められた範囲の植物に対して製品のテストおよび測定を実施しています」とテュフズードのプロジェクトマネージャーであり照明エキスパートのマーヴィン・ボル氏。「環境パラメータが変化したり、異なる品種へ使用したりすると、好ましい結果を得られない可能性があります。栽培者は提供された装置を、製造業者が指定する品種と環境下でのみ使用するよう制限されています。」現時点では、ある作物に対し、どの光が適切であるかを示す基準はありません。さまざまな照明や設定を試し、自らの利益を達成するため「聖杯」を探し求める開発者はたくさんいます。
プレイヤーが持続可能な未来のために業界を発展させようと努力する一方、もうひとつの課題は技術そのものの安全性と性能を保証することです。屋内農業システム間のばらつき度合いが大きいことも、適切な照明器具設置の選択をさらに困難なものとしています。土壌ベースの装置または水耕栽培システムで光源を使用した場合の違いは?どのような配光が必要?照明が作業者に近接するため、光生物学的安全性、電気ショックに対する保護のような職場安全性に関するテーマは特に重要です。
テュフズードでは屋内農業への関わりが深まっており、農業家および栽培者に対して個々の作物にとって適切な照明の基本およびシステムの精査に関するアドバイスを提供するほか、最新の規格・規則のご案内を通じて、現状を打破し各々のニーズに合ったテクノロジーを適切に活用することを支援します。
文献によれば、大部分の農業家において成長率は上昇しています。しかし、たとえテストにおいて高い成長率を示したとしても、植物が普通でない、または「美しくない」と見えれば売上は保証されません。したがって、小売業者および農業家自身が、自身の希望する生産品についてより強く発信していかなければなりません。