産業と規格~World Accreditation Day 2018レポート

World Accreditation Day 2018

「今年のWorld Accreditation Dayでは、より安全な世界を実現するにあたり、許認可がどのように重要な役割を果たしてきたかを取り上げています。産業革命以来、私たちは許認可と認証の重要性を認識しており、またデジタルトランスフォーメーションの新たな時代に入ろうとしている中で、今後数十年にわたりそれらが大きな意義を持つことを確信しています。」

 

 イシャン・パリット (Ishan Palit)

TÜV SÜDテュフズード取締役 

3世紀以上前に工業が生まれて以来、安全規格は開発において不可欠な役割を担ってきました。産業界がアナログからデジタルへ進化したのと同様、グローバルに認められている規格や認証もそれと平行して発展し、労働環境や製品の安全性をさらに高めてきました。

6月9日には、毎年開催されるグローバルなイニシアティブのひとつとして、世界の認証機関により設立されたWorld Accreditation Day 2018が開催されます。この日はさまざまな産業にわたるあらゆる企業の間において、認証が持つ重要性への認識を高めることを意図したものです。今年のテーマは「認証:より安全な世界の実現」です。

インダストリー4.0による完全にデジタル化された素晴らしい新世界への移行に伴い、認証を付与する側には新たなレベルの専門知識構築が求められています。ここでは産業界の誕生以来、私たちがどこまでの進歩を遂げたか検証しています。

第一次産業革命:蒸気機関の時代の認証

1700年代から1800年代半ばにわたる第一次産業革命により、世界はかつてない変化を迎えました。石炭と水の力を利用することを学んだ人類は蒸気機関をはじめとしたイノベーションを生み出しました。産業革命はまた、機械の使用や工場システムの登場など、新しい製造プロセスへの移行も引き起こしました。

この新しい工場システムでの労働条件は、多くの場合には極めて劣悪なものでした。換気の悪さや過密状態に加え、労働者は危険な機械や可燃性ガスなど安全上の問題にさらされていました。労働者は組合を結成してストライキを行い、これが最終的には適切な換気とより安全な労働環境を義務付ける法律の制定に結びつきました。

ドイツでの技術的監査もまた、蒸気機関の誕生から間もない時期に安全上の問題への対応として開始されました。蒸気ボイラーのマントル部分にあった亀裂によって、爆発事故が起こり、1名の命を奪い、複数に負傷者出しました。この事故は珍しい事例ではなく、このような数多くの死傷者を出すようなボイラー爆発は数多く発生していました。これによって定期検査の必要性への関心が高まり、検査のための協会が設立され、安全性を高めるための基準の策定が進められました。この協会がテュフズードの前身となったのです。

多くの産業において重要であった技術的発展が進んだ第一次産業革命は、イノベーションに伴うリスクを管理する手段を私たちが学ばない限り、それが社会に益することはないという事実を示しました。適合性評価機関には、このようなリスクを管理するためのパラメータ制定が求められると同時に、不偏性と評価能力を確実なものとするため、今日では認定機関と呼ばれている当局による監督も行われるようになりました。

第二次産業革命:電気と石油からの進化

1800年代の後半、一連の発見によって世界の企業活動は再び変化しました。一般向けの電球が発明されたことにより、電気は日々の生活に不可欠なものとなりました。鉄鋼業界では、徐々に鉄が多用され始めたことにより、、製造業者は輸送をさらに拡大することのできる船や鉄道など、より耐久性のあるプロジェクトに取り組めるようになりました。

第二次産業革命は、農業、通信、およびエネルギー産業にも大きな飛躍をもたらしました。農業の工業化を通じ、労働者は農薬や機械化された農機の使用などに伴う新たな危険にさらされるようになりました。農薬の試験は当初はその有効性のみが注目されていましたが、使用者にとっての安全も考慮するよう規定が改められました。そして、最終的には農薬に対する安全試験も課せられるようになりました。

規格には安全性だけでなく、環境保護や持続可能性に関する項目も取り入れられ始めました。煙突の建設業者に対しては、排出や有毒な汚染物質を削減するため、最小限の煙突の高さが定められました。

第二次産業革命での認証は安全だけには留まらず、高品質なサービスや汚染されない環境の維持にまで拡大されました。

第三次産業革命:コンピュータ技術とグローバル化

1980年代のデジタル回路と情報技術へのシフトにより、産業界は再び根本的な変革を迎えました。これによってグローバル化が進み、加速の時代が始まりました。

製造業務は今では世界中に分散し、いずれかの国に偏ることなく世界中において生産される製品が増えています。今後グローバル市場に展開していくには、地球規模でのサプライチェーンや世界各国の安全基準への対応がますます重要になってきており、今まで以上に各国がお互い密接に関わってくることが必要となってきます。

このため国境を越えた製品やサービスの受け入れを高めることを通じた、貿易振興のための国際協力進展を目的として、1977年にInternational Laboratory Accreditation Cooperation(ILAC - 国際試験所認定協力機構)が設立されました。ILACはこのシステムをグローバルに普及させるため、100を超える国の認定機関と協力しています。各国の認定機関はテュフズードのような認証機関と協力し、製品とシステムが定められた安全基準を満たすことをグローバルに保証しています。これはまた、市場にある製品が信頼できる品質を持ち、また安全なものであるという安心を消費者に提供しています。
 

Today:認証評価とインダストリー4.0

第四次産業革命を迎えようとするにあたり、私たちはインターネット、人工知能、ブロックチェーン、およびスマートテクノロジーがモノへもたらす課題への対処を求められています。

インターネットが世界の通信、取引、および決済の主な手段となってきている現在、効果的なサイバーセキュリティとデータセキュリティが不可欠になってきています。また、多くの国の人々に新たなニーズが生じると共に、スマートシティのための安全なソリューション開発が極めて重要となってきています。デジタル化の可能性を最大限に発揮させるには、共通の言語とプラットフォームでマシンとデータの相互運用性を可能にする必要があります。

歴史は、規格が産業革命に伴うその時々の新たなリスクに対応してきたことと共に、より相互的に絡み合うインダストリー4.0による課題も、安全性、セキュリティ、および信頼性を保証する規格を通じて克服可能であることを示しています。

適合性評価機関を支える認証は、政府機関、企業、および消費者には新たな技術からのリスクにも対応し、より安全な世界を構築できることを確かなものとします。


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